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小(ちい)さなひみつ基地(きち)
この公園、よく来るんだ。
そこは、都会のど真ん中にぽつんとたたずんでいる、小さな公園でした。
ここはね、ぼくにとってのひみつ基地なんだ。と言っても、ふつうにみんな利用できる公園なんだけど、なにがひみつというとね、ああ、やってきた、やってきた。ジャジャーン、ぼくの友だちたち。
やってきたのは、たくさんのハト。ポッポッポッポと鳴いている、どこにでもいるようなふつうのハトのようです。
私は、ハトのほうには目を向けずに、少年に言いました。
このハトたちは、なにか芸でもできるのかい?
私がそうたずねると、少年は笑いながら、こうこたえます。
いいや、ここのハトは芸なんてしない、ほんとにふつうのハトだよ。けれども、みんなはふつうのハトに見向きもしないでしょう。ぼくは、このなんともないハトが好きなんだ。この子たちの目は、くりっくりしているけど、どんなに集まってもこわくないなぁ。ひとによっては、ハトやそのほかの鳥の目が苦手というひともいるみたいだけど。
私は、少年のその言葉を聞いて、しばらく考えこみました。そしてふと、ある発想が降りてきたのでした。
ああ、そうだ。きみはハト以外にも、好きな動物はいるかな?
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