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私(わたし)のこわいもの
うーん、じつはね、私にとってほんとは、鳥の目が怖しかったはずなんだけどね、今日きみに、ここに連れてきてもらったら、治っちゃったみたいだ。ありがとう。
ふふ、どういたしまして。お兄ちゃんに会えて、ほんとによかった。また会えるかな?
ああ、私はこの近くの大学で研究をしているんだけど、研究ってめんどうだからさ。
めんどうだから?
はは、めんどうだから、ときどきサボって、ここに遊びに来るよ。そのときはよろしく。
わーい、またゲームやろう!
わかった、新作ゲームができたら、やってみてよ。じゃあ、すまないけれど、そろそろ研究に戻らなきゃ。先生を待たしてしまっているんだ。
お兄ちゃんでも、先生に怒られるの?
うーん、怒るような先生もいるけど、それはいい先生ではないね。少年、えーと名前は?
ぼくは、鳥井高志と言います。
あー鳥が名前に入っているのかな。
そう、それもあって鳥が大好きなんだ。
はは、とりいたかしくん、またいろいろと教えてくれ。今日からきみは私の、一番の先生だよ。あ、ごめんごめん。自分の名前を名乗ってなかったな。私は。
私が名前を名乗ろうとしたとき、高志くんはなぜかケラケラと笑いながら、こう告げたのでした。
もう知っているよ。
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