逢わせ屋

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誰かが叫んだ気がした。 でも、私は目を開けなかった。 そして、私の身体に衝撃が来る。 大きな大きな衝撃で、私は宙に浮き、地面に身体を打ち付けた。 目を開けた時、私の視界は真っ赤で、交差点内に一台の車が見える。 周囲の人々が私の方に駆けつけてくる。 私は一切動けず目を閉じた。 そして逢わせ屋さんは本当にいたんだと思った。 だって、川の向こうのお花畑で、五年前に死んだ兄と逢えたのだから。 (了)
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