新舌切り雀

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 すると、おじいさんは家の婆がとんでもない事をして済まなかった、済まなかったと何度も頭を下げて謝りました。それから悲しくて悲しくて堪らなくなって顔を両手で覆って声をしゃくり上げておいおいと泣き出しました。  それを見た舌切り雀は不思議なことに人間の言葉で言いました。 「私は大丈夫だ。心配するな。それにしてもあなたはとても優しい人だ。よって褒美を取らす。ほれ、ここに大きい葛籠と小さい葛籠がある。どちらかを選ぶがよい」
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