side:ドS上司

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side:ドS上司

お客のあまりいない店内で店長のロイは手元のコップを拭きながらこの前のことを考えていた。 つい先日、仕事終わりにスタッフ2人を捕まえていたずらを仕掛けた。 まぁ、彼らがどう思ったかは別として、ロイとしては遊びの延長のつもりである。 それが思った以上に楽しくてついそのままアッシュに手を出してしまった。 あの子の泣き顔は堪らない。困ったように眉根を寄せて苦しそうにするのを思い出すとゾクゾクする。 また見たいと思う程度には気に入ってしまった。 彼のことなのできっと言えば流されてくれる気がする。 問題は何処までするかなのだが、ロイは1つやってみたい事があった。 時間を見れば彼が休憩に入ってだいぶ経つ。そろそろ戻ってくる時間だ。 「少し離れるから見ててくれるかい」 「あぁ。行ってらっしゃい」 同じバーテンダーのシマさんに声をかけるとロイは休憩室へと向かった。 休憩室の扉をそっと開くと、目当ての子がソファでウトウトしていた。 余程眠いらしく、こちらを向く薄い灰色の目は見えない。いつもなら寝起きが良いのですぐ起きられる彼にしては珍しいことだ。 つい悪戯心が湧いて、ロイはアッシュの顎を掬い上げた。 「ン……っ!」 急なことに驚いて半開きになった口に舌をねじ込む。 部屋が肌寒いせいか、ロイよりも舌が冷たく感じる。驚いて縮こまったまま舌を絡め取ったり、気まぐれで好きなように上顎をなぞる。 「んん……っふ、ぁ」 眉根を寄せてアッシュは身をよじるがまだ離したくない。首の後ろを押さえつけると満足するまでその舌を味わった。 「……っはぁ、」 最後にリップ音を立てて唇を離すとアッシュは熱い吐息を吐き出す。 「ロイさん……」 非難がましい視線を送られるが強く怒ることは無い。彼はそういう子なのだ。それを都合のいいように解釈している自覚はある。 「おはよ」 「……おはよ、じゃないですよ」 あのディープキスの一件以来、ロイはことある事にこうして隙をついてはところ構わずその唇に食いついていた。 本人は気づいているか分からないが、少しずつ反応が良くなっている。その事に興奮して思わずロイは自身の唇を舐めた。 ため息を吐いている彼耳元にそっと唇を寄せると囁く。 「今日、残ってて」 もう少し味わいたいが、ちょうど時間だ。名残惜しげにアッシュの唇を一撫でするとロイは休憩室を後にした。 悩みながらも、彼はきっと残ってくれるだろう。 夜が楽しみだ。 仕事終わり、案の定戸惑いながらもアッシュはお店に残っていた。 と言うより、彼の性格上逃げそびれたのだろうがそこはなんでも良しとする。 いることを確認してロイはなるべく猫かぶりな笑みを意識してニコリと笑った。 逃げそびれた、という顔をしている。その顔がまた面白い。すぐ目の前まで歩み寄ると無意識に彼の唇を撫でた。 困惑しているのか、目線だけを逸らしている。その視線をこちらへ向けたくてロイは遮るようにして彼の唇にキスをした。 「ん、ふ……」 やはり感度が上がっている。以前なら驚いて声を出している節があったが、今は完全に快感を拾っているようだ。 苦しくて顔を逸らそうとするので今は好きにさせる。まだまだこれからなのでバテられては困る。 「……っはぁ、はぁ」 手の甲で口元を拭い、肩で大きく息をしている。 さっきよりも目がとろんとしていた。彼の瞳の色は薄いので興奮すると光の反射加減が変わる。キラキラと光るそれを、ロイは特に気に入っていた。 もう少し、この目を溶かしたい。ロイは暫く思案するとこてりと首を傾げた。 「じゃあ少し変えようか」 疑いの眼差しを向けられつい笑ってしまう。 どんな反応を返してくれるだろうと子供のようにワクワクしている。 固まっているアッシュの唇を再びを塞ぐ。する瞬間は何をされるのかと強ばっていたが、特に大差ないと分かると肩の力を抜かれた。その瞬間を見計らって彼の両耳を掌で塞いだ。 最初はただ驚いただけで理解していないようだったが、そのうち身をもって理解すると途端に声が上がった。 「ンん゛……っぁ……、」 なるべく音を聞かせるよういつもよりたっぷりと唾液を絡ませ、態と音を出す。 止めようと腕を引かれるが、そこはがっちりと押さえ込んで離さなかった。むしろもっと喘がせたくて深く絡ませる。 「……ん、ぅ」 近づきすぎて見えないが、指に雫がかかる。また泣いているらしい。 彼はなにかあるとすぐに泣いてしまう。それがロイの加虐心を煽り立てるのだが、きっとこの子は知らないだろう。 おかしくなってしまえばいいのに、と壊したくなる衝動に駆られながらロイは暫くその唇を貪った。 「ぁ……は、」 満足して唇を離す頃にはすっかり腰が抜けてしまったらしく、アッシュは自力で立てなくなっていた。 座り込みそうになる腰を片手で支える。何も抵抗が出来ずしがみつかれると気分がいい。 上機嫌になったロイはそのまま続きをしようとアッシュをソファへと座らせた。 そこへ覆い被さるようにしてのし掛る。 まだ余韻に浸っているらしくろくな抵抗は見られない。ロイは赤く火照った耳に舌を這わせた。 「ちょっ、とロイさ……ンぁっ!!」 過敏になっているのか、さっきよりも反応がよかった。ビクビク跳ねる身体が楽しくて何度も舌を這わせる。 外殻をなぞり、時々歯を立てるとアッシュの悲鳴が上がった。 「ぁ、ぁ……っ!ロイさ……やめてっ」 「気持ちイイでしょ?さっきからずっとビクビクしてる」 「うぅ……っ、違……」 否定し押しのけようとするアッシュの腕を空いた片手で掴む。 「何が違うの」 囁きながら、今度は耳の中まで舌を這わせる。 くちゅくちゅとなるべく音を立てて水音を響かせる。真っ赤になってその音から逃れようとする彼を押さえつけた。 ついでに暴れられないよう両手を纏めて片手で押さえつける。 「ロイさ、……っァ……!」 「なに?」 アッシュの身体を横向きにし、そこに跨るようにして覆い被さる。体格的に体重を掛けると潰してしまいそうなので膝立ちになった。 身長は殆ど変わらないのに少食だからか、アッシュは随分と細い。うちの料理長が太らせようと画策しているようだがなかなか思うように進まないらしい。 そんな彼を組み伏せるのは苦ではなかった。むしろ抵抗されればされる程それはそれで楽しい。 「もう、耳やめ……」 「ン……やぁだ」 拒否すると尚もしつこくアッシュ耳を責め立てる。嫌々と首を振るのが堪らない。 「やだ……も、やだ……」 だんだん本気の泣きが入ってくるとゾクゾクとした刺激が駆け抜ける。 このまま泣かせ続けてしまおうかとも思ったがそもそもこれは前戯だったと思い止まる。 「ん、しょうがないなぁ」 ほんの少しだけ惜しいと思いつつ、ロイは唇を離した。 「はぁ……はぁ……っ!」 舐められた耳を両手で覆い、肩で息をする彼の耳は真っ赤に染まっていた。 「な、にしてんですか……!」 「耳ふさぎキス。気持ちイイでしょ?」 息も絶え絶えに言葉を紡ぐアッシュにロイはコテリと態とらしく首を傾ける。 そうじゃないのは分かっているがいちいち構う気はなかった。それよりロイとしては次に進みたい。 パクパクと口を動かすアッシュの事はお構い無しに更に顔を近づける。 「今日はもう少し進もうか」 「え、ちょ……っと!!」 抵抗しようと伸ばす手を再び両手で纏める。引き寄せながら強引にキスすると肩がビクリと跳ねた。 今度は邪魔されないよう、息もさせない程深く舌を絡ませる。息を吸いたいのか、アッシュが口を開く度にそれに合わせてどんどん奥へと舌を差し込んでいく。 苦しさで喘ぐ声が心地いい。酸素が回らず抵抗できなくなった所でズボンに手をかけた。 「ひ、ぁ……っ!」 兆したものを握り込むと生理的にか、ぶるりと震える。それに合わせて触れたものもピクリと反応を返した。 「ン……っ、ロイさんやめてくださ、」 「んー、でも此処はそうじゃないみたいだけど」 そう言いつつグリグリと尿道口を抉るように押し潰すと悲鳴が上がる。快感を拾ったことに戸惑っているのか目が見開かれている。 「やだ……っ」 先端だけ揉み込むように扱くとアッシュの腰がビクビクと震えた。 だんだん彼の身体を自分が塗り替えていく。 その事実に仄暗い征服欲が満たされていく。癖になりそうだ……いやまたしたくなっている時点でもう癖になっているのかもしれない。 「ま、でもこれはここまで」 ほっとしているところ悪いのだが、ここからが本番のようなものだ。 理解出来ずにいるのをいいことにロイはそのまま彼の陰部を口に含んだ。 唾液を絡ませずともアッシュのそこは既にどろどろだった。独特の苦味は嫌悪するほどではない。彼が好む甘い物を食べるよりはマシだ。 「あっ……く……ぅ……」 「フェラは初めて?気持ちイイ?」 舐めることはやめずに上を見上げて問うと呆然と言葉が返ってくる。 「なん……で」 「だってキス慣れてきたでしょ」 以前だったなら奥まで舌を絡ませればえづいていたはずだ。 少しずつことある事にキスをして慣らしていったのは故意的な事だ。ようやく慣れてきたから次の段階に進もうと思ったのだから。 ロイ自身、彼をどうしたいのか自分でもよく分かっていない。分からないが、今は衝動のまま触りたいと思うのだからそれを否定する必要はなかった。 「あ……っうんン、」 今度はさっきまで指で押していた尿道口にグリグリと舌を押し込む。 もしかしたら少し痛いかもしれないが、きっとそれだけではないだろう。その証拠にアッシュの膝がガクガクと震えている。 やめさせようと押しやられる振りをして口を離したが、振りだけで止めるつもりは毛頭ない。 見せつけるように裏筋をなぞって舐め上げる。 「ンん、ぁ……!」 「や、めて!やだ……ァ、ッ」 しがみついた拍子に髪をくしゃくしゃにされたのでお返しにカリ部分をしつこい位咥えて引っ掛けた。それをお気に召したらしく、腰がビクビクと震える。余程気持ちいいらしい。 「……は、ァ……グスッ……も、やだ」 「やだって言ってるけどさっきからずっとこっち止まんないけど」 「ひ、ぁ!」 人差し指の腹で直接先端に触れてタラタラと垂れる汁を伸ばす。 グリグリと指の腹で先端をこするとまた溢れ出てきた。 「んン、……ぁ!」 「声もこの前より良く出てる。気持ちイイんでしょ?」 「うぅ、違ぁ……ン、」 違くない癖に嘘ばかり言う。 クスリと笑うとロイは先端を咥え、今度は竿部分も扱きだした。 唾液をたっぷりと絡ませると口の中でビクビクと震える。 絶頂が近いらしい。 「ん、ン……はぁ、ロイさ……離して…!」 慌てて引き離そうとアッシュは藻掻くが口を離すつもりは無い。ロイは更に奥深くに咥え込んだ。 「やだ、はな……はなして!も……無理、出る」 喉の奥を締めるように狭めると口の中のものがヒクヒクと震える。 「あァ……っ!!ぁ…、」 ガクガクと震えたままアッシュは絶頂を迎えた。 口の中にさっきまでとは違う濃厚なものが流れ込む。吸い尽くすつもりで先端を吸い上げると面白いほどアッシュの身体が震えた。 「や、も……出たから……い、やだぁ…ァ…!」 イったばかりの身体には辛いだろうが分かってやっている。タチが悪いのは自分でも自覚済みだ。 アッシュは肩で呼吸を繰り返しながらソファへ身を投げ出した。 ――嫌がられると分かっていてついしたくなってしまう。 顔を近づけるとロイは非情にも深いキスを仕掛けた。 「ん゛ーっ!!!!」 渾身の力を込めてアッシュが身をよじるのでロイも全力で腰と首の後ろに腕を回して封じ込めに掛かった。 「ふぅう゛ぅーっ!!」 噛みつかれるだろうと思っていたのでそうなる前に唇を離す。 「うぇえ……に、苦い……」 アッシュは両手で口を押さえベッドの上に丸まるとボロボロと泣き始めた。 「ばかじゃないの………う゛ぅー…」 余程ショックだったらしくいつもの敬語が外れている。それだけ彼のペースを乱したという事実に興奮していた。思わずその腕を掴み上げるとその様子をじっくりと観察する。 「痛った……」 グスグスと鼻を鳴らしたままこちらを見上げる彼の目も鼻も泣きすぎたせいで真っ赤になっている。 ――もっともっと泣かせたい。 「……まだ終わりじゃないよ」 囁くとアッシュは目を見開いた。 「はぁ……!?」 素っ頓狂な声を出す彼にニコリと猫かぶりな笑みを浮かべるとロイは自身のズボンを緩める。 「え、何々……え、」 まさかそうくるとは思っていなかったらしく、アッシュは疑問符を浮かべている。しかし今日のメインはこれなので彼には頑張ってもらいたい。 「今日は僕も気持ちよくして」 「ひ……っ!!!」 兆し始めたロイのモノを見てアッシュが完全に怯えている。 自分で言うのもあれだが、日本人離れした大きさだとは思う。そこまで怯えられるとは思わなかったが、そもそもこのシチュエーションに怯えている可能性も高い。だからといってやめる気は更々ないが。 ピタリと固まること数秒。 「む、無理……!!」 アッシュはズザッと音がしそうなほど盛大に後ろへと下がった。しかしソファの上なのでロクに下がれもせず肘掛け部分にしがみついている。 「無理?」 「む、無理です」 なるべく優しく首を傾げると即答が返ってくる。 「どうしても?」 「どうしても……!」 予想通りの返答だ。 「そっかぁ。じゃあ――」 ロイは少し困ったように目を伏せた後、アッシュの膝裏に手を入れた。 そのまま思いっきり膝を引き寄せソファへと転がす。軽いので造作もない。というか本当に細い。 「え、ちょっ!!!」 「ななな何してんですか!?」 思っていた通りの慌てぶりだ。 「えー、だって出来ないっていうから食っちゃおうかと思って」 「なんで?!」 勿論嘘である。 そもそも女じゃないのだから何の準備もなしに抱けやしないが、アッシュには分からない事だろう。というかはったりなので分かってしまっては困る。 慌てて距離を取ろうともがく膝をがっしりと掴み引き寄せる。そのまま前屈みになりゆっくりと体重をかけた。 腰と腰とくっつける様に重ねると悲鳴が上がる。 「ちょ!!無理無理無理無理!」 「それはさっき聞いた」 「だって……!!」 半泣きになるアッシュにロイはもう一押しする。 「わがままばっかり言わないでよ」 いつもは出さない低い声に驚いたのかビクンと身体全体が跳ねた。途端に騒いでいた瞳が怯えた色を見せる。 「したくないっていうからやめてあげたんだからさぁ」 「だ……って、」 ジワリとアッシュの目尻に涙が浮かぶ。 普通なら理不尽だと怒るところだろうが、正常な判断が出来ないアッシュは押し黙った。 あと少し。 どうしようか思案していたロイは思いついたとばかりに彼のズボンへと手をかけた。 秘部に触れようとするとアッシュが悲鳴をあげた。 「やります!やりますから!」 「だって出来ないんでしょう?」 「うぅ……っや……りま、す」 アッシュは絞り出すように声を出した。 そこで出来ないと言われれば出来るところまでしてみようかと思っていたのだが。 「そう?」 とはいえ当初の目的はこちらである。ロイはあっさりアッシュを解放すると抱き起こした。 膝立ちになりアクションを待つがなかなか行動に移さない。どうすればいいのか分からず戸惑っているようだ。 ロイは極力優しく聞こえるよう穏やかな声音で呟いた。 「舐めて」 お願いするとアッシュは一瞬迷った後意を決した表情で手を添える。 緊張しているのか、ふるふると震える様子に加虐心を駆り立てられるが今はじっと我慢した。 目を閉じるとアッシュは先端に舌を這わせる。 口に入れるのに苦戦しているらしく、ぺろぺろと舐めるだけだ。 場所が場所なので感じない訳では無いが自分で触った方が良いくらいの囁かなものだ。 「さっきしてあげたでしょ。あれ、真似して」 全て出来るとは思わないが多少はマシになるだろう。 一瞬悩んだ後でアッシュは懸命にロイがした事をなぞる。 舐めて先端を吸い、カリ部分に唇を這わせる。暫く続けたあと口内へと出し入れした。 「あっはっ、アッシュ君へったくそだね」 気持ちいいかと聞かれればあまり気持ちよくはない。 「でもちょっと興奮する」 良くないのだが、普段ぼーっとしている部下が懸命に奉仕する光景だけを考えれば中々いい絵面だった。 何より喜んでやらない辺りに好感を得る。 とはいえ、もう少し刺激が欲しいところではある。 ロイはおもむろにアッシュの頭に手を添えると何の予告もなく喉の奥に突っ込んだ。 「お゛、ぇ……」 全く予期せぬ動作についていけずアッシュが思いっきりえずく。 慌てて頭を後ろに引くので好きにさせるとゴホゴホと咳き込んだ。 何をするんだと思わずロイの方を涙目で睨む。その姿に満足感を得た。自分で言うのも何だが、性癖は歪んでいる方だろう。 泣き顔も良いが今は即物的な刺激が欲しい。 ロイは彼の口の中へ唐突に親指を突っ込んだ。 「んぐ……っ!」 「ほら、ちゃんとして」 怯んだところで無理矢理ロイのモノをねじ込む。少し歯が当たるが気にしない。 今度は加減して吐くすれすれで止める。 ゆるゆると腰を動かすとどうしたらいいか分からないらしくこちらをうかがう視線が飛んでくる。 従順な様子にロイはクスリと笑った。 「アッシュ君舌使って」 言われてアッシュはとりあえずという感じで舌を使い始める。口内を狭めたり吸い上げたりしてみるものの、慣れない為か何度もむせ込む。 「げほ、げほ……っ!」 その苦しげな姿が一番クるのだから困ったものだ。 苦しいからか、さっきよりも唾液が絡む。それが良くてロイは吐息を吐いた。 しかしそれと比例するようにアッシュの顔つきが強ばっていく。 多分ロイが感じ始めたので段々と苦くなってきたのだろう。思わずといった様子で口を離そうとするのでそれを右手で制する。 「何離そうとしてんの」 押さえつけられたままアッシュから抗議の目線が来るが、それがまた良い。 普段開けない口を大きく開けて、苦しげに表情を歪ませたままこちらを向いている。 なんともいえない征服感がある。 ――このまま腰動かしたいなぁ。 そう思ったところで外から足音が聞こえてきた。スタッフの誰かが戻って来たらしい。更衣室の方で1度止まったので忘れ物でも取りに来たのだろう。 しかしそれだけでなく気配はこちらへも向かってくる。 見る見るうちにアッシュの顔から血の気が引いていく。 慌てて再度口を離そうと頭を引くので半分程口を離したところでがっちりと押さえ込んだ。 どうせ扉には鍵が掛かっているので入ってこれないのだが、アッシュは気づいていないらしい。 そもそも自分で言うのもあれだが無理矢理させられている立場なのでアッシュが助けを求める事だって出来るだろうにこの子は青くなるばかりでそんな素振りも見せない。 ならもう少し楽しみたいという欲求が湧いてくる。 どうしようかとその青い顔を眺めていたが、ふと思いついて笑みを浮かべた。 それに嫌な予感を掻き立てられたらしく、アッシュの表情が一変する。 それに思わず舌舐めずりをするとそのまま半分引いたモノを口内へ押し込んだ。 声が聞こえないよう加減し、えずく手前で止める。 その方が楽しめそうだったからで、別に見つかりたくないわけではなかった。 向こう側を気にする素振りを見せるとアッシュの表情が強ばる。それが楽しくてそのままゆるゆると腰を動かし始めた。 「――っ!?」 声が出せないままアッシュが目を見開く。その様子が楽しい。 「――っ!!」 喉奥を突かないようにしながらも時折えずくポイントを掠める。その度に声が出そうになるようで無理やり飲み下すように喉が嚥下した。 喉の奥を締めつけられ気持ちがいい。吐かないように落ち着いたのを見計らっては何度もそのポイントを掠めた。 下手な口淫よりずっと良い。 苦しいからか、さっきよりもアッシュの目に涙が溢れる。その表情がまたロイの性癖に刺さった。 ゾクゾクして堪らない。 早くその口内へ思いっきり突っ込みたい。そうすればきっともっと苦しげに呻いてくれるのだろう。 ロイの気持ちを察するように扉の外の気配が離れていく。 それにアッシュが心底胸を撫で下ろした所でこれ幸いとばかりにロイもアッシュに声をかけた。 「歯、立てないでね」 そういうや否や、彼が理解する前にロイは思いっきり口内へと突き立てた。 「お゛、ぇ!!」 喉奥に留まるとそれに耐えかねてアッシュが盛大にえずく。そのまま苦しげに嚥下するので先端が狭められて気持ちが良かった。 「あー、イイね」 それに味をしめたロイはアッシュの頭を押さえつけたまま何度も彼の喉奥に押し付けた。 ズンズンと喉の奥を突かれる度、苦しさでアッシュが目を見開く。その姿が堪らなく良い。 つい興奮して何度も腰をグラインドさせる。腰に爪を立てられてもアドレナリンが出ていて気にならなかった。 むしろそれすら今は興奮材料になる。 「ん、気持ちイイ」 「ん゛んぅ゛!!」 言葉にならないままアッシュが悲鳴をあげる。 「あっはっ、何言ってるか分かんない」 「ん゛ーっ!!!」 自分でもハイになっているのが分かるが今更止められない。 興奮のままピストンを続け、アッシュの喉奥に押し付ける。苦しくて喉奥が締まると気持ちが良い。 「ん、出る」 小さく告げた直後、ロイはアッシュの口内へと射精した。 苦しくて顔を引こうとするので一通り出し切るまでは無理矢理押さえつける。 「ゲホ……ゲホッ、お゛ぇ……」 えずいたアッシュが白濁を手の中に吐き出した。 顎が痛いのか、口を閉じれずハァハァと肩で息を吐き出す。 「こっち向いて」 「い……っ」 どうしても顔が見たくなってやや強引に髪を下に下げるようにして無理やり顔を上げさせた。 アッシュの顔は涙やら精液やらでぐちゃぐちゃだ。 呆然としたままこちらを見ているが、ちゃんと見えているのか怪しい。 一通り眺めたあとでロイは手で彼の口元を拭う。 「よく出来ました」 色々なものが混ざりあった白濁は手に絡みつく。 それを中指と親指で伸ばしながらロイは満足そうに笑った。 ――あー、これは……癖になるな。 ロイは独りごちながらアッシュの額にキスを落とした。
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