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第二章 ひとつ目の本番
海外のリゾート地にある豪華な別荘のような佇まい。ライトアップされた入り口までのアプローチ。それらがいかにも高級そうなフレンチレストランだった。
少し気取った雰囲気を感じ、私の中で緊張感が増していく。
有名なフレンチシェフの経営する店だそうで予約がなかなか取れないと、さっき車の中で真木さんが教えてくれた。
「どうぞ」
ドアを開けて私をエスコートする真木さん。
ここへ来る間に真木さんから真木さん自身に関する事を「これ位は、基本として覚えておいて」と、たくさん聞かされた。
おかげで、真木さんの事をプライベートもよく知るように思い込まされたし、いい友人であるような愚かな錯覚にも陥っていた。
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