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「ま、真木さん、どう…して」
なぜ? ゲイなのにって聞こうとした。
真木さんは、鼻が触れるほど近くへ来た時に私の瞳をじっと見つめながら言う。
「きみの妹がいる」
「…え?」途絶えそうな意識の中で妹、歩美の顔が浮かぶ。
「動かないで」
真木さんの唇が私に近づく。
「会社でもプライベートでも秘密は守って。だから、今もきみの妹を欺く為に演技して」
唇が触れそうになった所で止まる真木さん。
「これぐらいで向こうにはキスしてるって見えるはず」
「?」
キス。誰と誰が?
私は、震える手で真木さんの胸を押した。ビクともしない真木さんの体。
「してほしかった?ごめん。俺、ゲイだから」
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