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3
聖の用意したマンションから、ユウは早速抜け出していた。
目的は勿論、あの不気味なメモの犯人を捜す為である。
犯人の目撃情報や、出入りしていた人物の情報をかき集めなければ――――と、ユウは考えていた。
しかし、根本的な問題がある。
――――ユウには、芸能界で親しい友人がほとんどいない。
落ち目になる以前も、なってからも、ネットの力で再ブレイクを果たした今も、ユウは……人との付き合いがずっと苦手だった。
なので、誰かと外で会って遊ぶようなことは全くなかったのだ。
上京した時が15歳で、即スカウトされ七虹プロからデビュー。
そして、すぐにトップ・スターとしてユウは輝いた。
目まぐるしい日々の中で、しかし、周りは全員ライバルの敵だらけだった。
最初からソロのシンガーだったユウに味方はおらず、気の抜けない日々に、ユウは完全に引き籠り状態になっていた。
常に彼は、マンションから仕事場の往復しかしていない。
いや、元々特殊な生い立ちをしているユウは、故郷の田舎町に居る頃からずっと他人との接触は0の生活だった。
(※詳しくは「ヒネクレモノ」「ナラズモノ」をご覧ください。)
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