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    ◇ 「おーい、明! お前にお客さんだぞー」  その声に、天羽明は稽古を中断させた。 「え、でも今は……」 「休憩! もう3時間もぶっ続けなんだから、そろそろブレイクタイムっしょ。さぁ、皆も30分休憩に入るよー」  そう言うと、髪をオレンジ色に脱色した仲間は『ちょっと来い』と明を手招いた。 「お前さんに、時の人が会いに来てるぞ」 「『時の人? 』あのな川崎、オレは……」 「だーかーらー、真面目なのはいいけど、本当に休憩は必要だって。そしてお客さんも、待たせちゃマズイ人物だぜ? パパラッチに気を付けろよ」 「パパラッチ? 」 「ああ、外に行くついでに、皆に何か差し入れ買ってきてくれよ」  そう言うと、川崎と呼ばれた男はニッコリと笑った。
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