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「渡会さん、営業一課へようこそ! おかげさまで日々の業務が大変スムーズになりました。引き続きよろしくお願いしまーす! では皆さん、今日はお時間の許す限りお楽しみください、カンパイ!」
「カンパーーイ!」
今日は例の、歓迎会兼親睦会の飲みの日。
「渡会飲んでる?」同期の飯島くんと、
「渡会ちゃーん」営業事務の先輩桜井さん。
桜井さんは私の三歳年上で、小学生の女の子と男の子のお母さん。育休を経て子育てしながら働くワーキングママだ。
「今日お子さん達は?」
「今日は旦那が早く帰ってきて子供たちみてる。たまにはいいのよ。ガミガミ怒るママがいなくて、お互い羽が伸ばせてさ」
「お、じゃあ貴重な時間だ。飲みましょう」
結婚して子供がいて仕事もばりばりこなして、桜井さんは一人で一体何役をこなしているのだろう。私とたった三歳しか違わないのに、必要とする人がいっぱいいる。自由度は少ないのかもしれないけれど、私なんかよりもずっと濃い毎日を送っている気がする。
それに比べ、私はどんだけ身軽なんだろう。
「慣れた? 営業の仕事」
「はい、おかげさまで大分慣れました。雰囲気いいですね、一課」
「相変わらず有能だね、渡会。よく総務がOKしたね」
「いや、誰か一人出さなきゃっていったら、私しかいないもの、立場的に。自分から希望したよ」
「みんなやりやすいって言ってるし、ほんと助かってる。先月なんて相当悲惨でしたよね、桜井さん」
「そうだよー。私なんて子供のお迎え時間もあるから、残業したくてもにっちもさっちもいかなくてさぁ。渡会ちゃんが来てくれて良かったよー。救世主だよぉ」
「あら、おそれいります」
「このままバリバリ、営業もやれちゃそう、お客さんにも評判いいって三浦さんが」
「無理無理、私は裏方だけで十分です」
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