731人が本棚に入れています
本棚に追加
C 擽りの実験
どーも、トーコです。
突然だが。
うちの旦那サマは、私より5つも年上だ。
私が小学校1年生のころには、6年生のお兄さんだったということになる。
だからなのか、お兄さんらしく、様々な知識を、この私に与えてくれようとする。
勉強は大っ嫌いな私だが、彼が話しかけてくれるのが嬉しくって、フムフムと頷きながら蘊蓄を聞くのが日課。
結婚間もない私達にとっては、目下これが、大切なコミュニケーションのひとつとなっている。
今日は久しぶりの2人っきりの休日。
朝から旦那サマは、ソファにキチンと腰かけて、字の小さい難しそうなご本を熱心に読んでいた。
お掃除を済ませた私は、彼とコミュニケーションを取るべく、イソイソとコーヒーを淹れ、彼の前にコトリと置いた。
「何読んでるんですか?」
「ああ」
私に気が付くと、彼はパタンと本を閉じ、目の前のコーヒーに口を付けた。
座る位置を少し横にずらすと、隣にできた空間をトントンとたたき、“オイデ”の合図。
最初のコメントを投稿しよう!