731人が本棚に入れています
本棚に追加
数分間経過。
「アッヒャッヒャ…だ、ダメ、ヒャハッ…
止めてっ。もー、ギブですギブっ!」
「…感じるか?」
「感じるっ、感じてますから。
もう…ほんっと、苦しい~っ」
逃げることを許されないたまま、両の腋下を擽られた私は、悶絶死する寸前で、ようやく助けられた。
ハア、ハアッ…
息を荒げて彼を振り返ると、嬉しげに目を細めている。
ああ、良かった。
どうやらトーコの愛、分かって頂けたみたい。
ジゴクの責め苦に耐えた甲斐があったというものだ。
「さ~あ、次は貴方の番ですよぉ?」
ようやく立ち直った私は、ニヤリと笑って両手を開き、コチョコチョポーズをして見せる。
と、彼は私をグイッと自分の胸に押し付けて、懐にスッポリとくるんでしまう。
「ふぁっ…え?ちょっとあの…」
「…と思ったけど、トーコ。
やっぱ、俺の方はいいや」
彼は私を撫でながら、柔らかく耳に囁いた。
「俺の場合はな…もっと別の方法で、愛を証せると思うんだ」
「え、何それズルッ」
ジタジタ暴れつつ、私は抗議を試みた。
しかし…
「『くすぐったい』は、『気持ちイイ』の仲間だって言ったよな」
「はっ…」
色香をたっぷりと乗せ、トロリと見つめる瞳に、私は俄に魅了される。
ヤバイ。
最初のコメントを投稿しよう!