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朝の透き通った風、高い空。
その全てを胸いっぱいに取り込む。
「とーや!おはよ!」
声がするのと同時にドンッと背中に衝撃がくる。
首だけで振り返ると、おだんごにした髪の毛が目に入った。
「深月・・・朝からテンション高い」
僕から離れて、隣を歩く深月はケラケラと笑う。
「透也のテンションが低いんじゃない?」
「僕が深月みたいなテンションだったら逆に怖いと思うよ」
「・・・それもそうだね」
自分のようなテンションになった僕を想像したのか、深月はコクッと頷く。
と思ったらいきなり星座占いの話をはじめた。
忙しい人だ。
西宮深月。僕の幼馴染で、幼稚園からの付き合いだからもうかれこれ14年間も一緒にいる。
中学はまだしも、高校も一緒になるとは正直思っていなかった。
「ちょっと、透也?聞いてる?」
「え、あ、ごめん。なんて?」
「今日ね、私、星座占いで1位だったの!」
「あ、そうなんだ。おめでとう」
高3にもなって、星座占いで1位になったからと喜ぶのは深月くらいだらう。
「思ってないねー、絶対!」
キッと横目に睨みつけてくる。
「ごめん、ごめん」
「今度、ダブルチョコアイス奢ってよね」
「え、話聞いてなかっただけなのに?」
「うん。」
まじか。あれ、地味に高いんだよな・・・
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