本物の米倉は、正造と澄子のみ

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 「…つまり、父の平造は米倉ではないということよ…」  「…お父さんが、米倉ではないということ…それは一体?…」  「…米倉は、正造と澄子の母のものなの…」  「…それは、どういう意味?…」  「…正造と澄子の母が、米倉の正当な後継者…というか血筋の人間で、父の平造は、遠縁の者だった…それが、結婚して、米倉を名乗った…そして、浮気をして、私と新造が産まれたということ…」  好子が、苦々しげに、告白する。  これは、驚天動地というか、ありえない告白だった…  目の前の好子の告白に、これまで、世間で話題になった米倉と水野の合併も吹っ飛んだ…  私の勤務する金崎実業と、大昭和の合併も吹っ飛んだ…  あまりの衝撃に、どう対応していいか、わからなかった…  私は文字通り、唖然とした。  唖然とした表情で、無言で、米倉好子を見た…
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