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何本ものソーダ水を
九州の旅行で飲んだ
まるで海を飲むように
熊本の宿にへとへとになってたどり着いたとき
福岡のイタリアンのレストランでオーダーしたとき
志賀島へのフェリーで
どれも
これから私とあなたの中で
何かが始まる宣言のようなもの
ソーダ水を飲む
夫が撮ってくれたビデオがある
海を見ている私を撮った
二十秒ほどのビデオだ
海が恋しかったり
晴れた日が恋しいといつも見る
愛してるぞーう!
私も!
と戯れて
そんなたわいのないやり取りが
どれだけ厳しい現実を生きのびられる手段になっているか
わかっていますか
ソーダ水を飲む
私をかたちづくってゆく
海が私の中にできるのだろう
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