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──放課後。
千夏と一緒に私が駐輪場まで行くと、数人の男子生徒が駐輪場を囲むように固まって談笑していた。
──そこに立たれると、凄く邪魔なんだけどな。
口に出さず、思いながら、私は千夏と共に強引に男子生徒らの群れの横を通り抜けようとした。
すると、その時だ。
「昨日はどうも、覗き魔ちゃん」
一人の男子生徒に、私は唐突に声をかけられたのだ。
顔中から、冷や汗がとめどなく吹き出てきた。
私はすぐさま振り返り、聞き覚えのある声の主に目をやる。
痩せ形で、長身。
はだけたシャツ、さらさらな黒髪。
昨日は教室の中が暗かったという事もあり、よく分からなかったが、夕映えに染まったその甘い顔立ちは、確かに女の子の心をひくモノがあった。
「昨日、俺のヤってるトコ見て、興奮したんじゃないの?
何だったら、今度相手してあげようか、お嬢ちゃん?」
立花センパイは言うと、チャラそうな雰囲気全開で、私の顔に手を近付けてくる。
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