・立花センパイ

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・立花センパイ

晩ご飯を食べ、お風呂に入り、布団の中に入っても、私はなかなか眠りにつく事ができなかった。 今日、学校で見た非現実とも言える“あの光景”が、私の脳裏に深く焼き付いていたからだ。 『覗いてんじゃねーよ、バーカ』 冷たく言い放った、“あの男”の言葉が私の中で何度もリフレインされる。 「別に覗きたくて、覗いた訳じゃないんだから! 大体、あんなところで“してる”のが、間違いなんでしょ!」 私は頭から布団をかぶると、これまでスマートフォンの違法動画くらいでしか見た事の無い、“あの光景”を忘れようとした。 しかし、“あの光景”は私の脳裏に深く焼き付き、私はただ興奮を覚えるのみであった。 ──あの、井上さんが“あんな声”を出すなんて。 違うクラスなので、何とも言えないけど、どちらかといえばおとなしい印象の井上さんが、男の人に抱かれた時あそこまで激しい声を出す事に、私は驚きを隠せなかった。 そして、その井上さんの隠された一面を引き出した、あの男にも……。
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