・HERO

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かったるい授業が終わり、バイトに行く為、談笑している千夏を残して一人校門を出ると、私は唐突に後ろから誰かに呼び止められた。 私が後ろを振り返ると、井上さんが立っていた。 その井上さんの後ろには、友達なのか私達のクラスでちょっと面倒くさい存在扱いされている佳奈って子と、その取り巻きの子が2人いた。 「大石さん、ちょっと付き合ってくれない?」 井上さんは、冷ややかな口調で言う。 どういう訳か知らないけど、何だか私に対して怒っているというのがありありと伝わってきた。 「あの、今からバイトなんだけど……」 「逃げられると思ってんかよ、てめえ!」 私が口を開くと同時に、井上さんの後ろにいる佳奈って子が怒声を発して私を威嚇してきた。 どう見ても、断われる雰囲気じゃなかった 私は、事がすぐに済むことを祈りながら、渋々井上さんらの後ろについていった。
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