うまれたての歯車

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うまれたての歯車

彼らと出会ったのは、5年前のことだった 彼は、たまたま道で会った私に、 自分は会社員で、住むところを探している、 どうか、なにも訊かずに、部屋を貸してくれと言った 変な人だと思ったが、なんだか断れなくて 私は言われるままに、彼を自分の部屋に案内した あのとき、あの子はまだ、赤ちゃんだった ひとり暮らしの小さな部屋だったから、 同居というか、居候のような形になったが、 彼は文句も言わず、よく働いた 仕事をして、帰ってきたら、洗濯をして、 私は、仕事をして、その他の家事をして、あの子の世話をして、 支えあって暮らすうちに私たちは、本当の家族のようになった みんなで食卓を囲んで、たわいないことで笑いあう あの頃は、本当に楽しかったな
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