軋む体

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軋む体

「どうしたの?」 探し始めてから数時間後、あの子は眠そうに目をこすりながら 私の部屋から出てきた その日私たちは、何事もなかったかのように ごはんを食べて、お風呂に入って、一緒に眠った だから大丈夫だと思ってたのに 思いとどまってくれたものだと思っていたのに 「いや!いきたくない!」 「だめだ、もうここにはいられない、お家に帰るんだよ」 それから3日後、 彼は、泣いて駄々をこねるあの子を連れて出ていった もともと、そのつもりだったとか 妹から連絡があったとか つまらない嘘を重ねて 私だって、泣きたかった いかないでと叫びたかった でもそんなことをして、なんになるんだろう 私に、なんの権利があるんだろう 彼にとって私はもう、ただの宿主でしかないのに
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