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芽吹くとき
最近、おねえちゃんが、遊んでくれなくなった
勉強に、友達に、大切な誰かとの時間に
忙しいのは、わかってる
「ごめん、待った?」
たくさんの笑顔の輪、めがけて、駆け寄っていく、おねえちゃん
その中に、わたしは、いなくて
遠くなる背中を、幸せそうに揺れる背中を、わたしは、ただ、みてるだけ
おねえちゃんは、わたしの、ものじゃない
ほんとうの、おねえちゃんじゃない
わたしと、おねえちゃんは違う
だから、言えない
仲間にいれて、なんて
遊んでよ、なんて
声がつまって、でてこない
それでも、わかってほしくて、隠れることにしたんだ
おねえちゃんとよく遊んだ、あの場所に
わたしが、いなくなったら
きっと、探してくれるよね?
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