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根っこがみる夢
生垣の陰で、夢をみた
おねえちゃんに出会った、あの日の夢を
「こんなところにいたら、風邪ひくよ」
「友達がいない?じゃあ、私と一緒に遊ぼう?」
おねえちゃんは、あの頃からちょっと強引で、まっすぐだった
大人の都合に振り回されて、引っ越しを繰り返すうちに、どこかに感情をおいてきた、わたしには、その素直さが、うらやましかった
「今日は、かくれんぼしよ!」
どんな遊びも全力で楽しむ、おねえちゃんと一緒になって、走りまわるうちに、
なくした感情を、少しずつ、取り戻すこともできた
だから、
「もう友達っていうか、家族?姉妹みたいなものでしょ、私たち」
その言葉が、ほんとうに嬉しかったのに
引っ越したくないなんて、思ったの、初めてだったのに
なんで、こうなったんだろう
わたし、なにかしたかな
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