一目惚れは恋なんかじゃない

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美香はサークルの1,2を争うイケメンに恋をした。 しかしなんとそいつは美香に思わせぶりな態度をとったあげく、フってしまったのだ。 ディズニーに一緒に行くとサークルでも噂になっていた。 いい流れなのだとは思っていたし、 まあこれだけかわいいのであれば当然かなとは思っていた。 だから、そんな状態の美香にやっと近づくチャンスが来たと思って、美香を飲みに誘ったのだ。 とはいっても、自分の恋人になってくれるとは思っていなかった。 だから、まずはいろいろ、美香のことを知りたかった。 そして、よくある大衆向けのイギリス風のバーに入る。 店内はがやがやしており、そして恥ずかしいことに僕は年齢確認を受けた。 ぎりぎり20歳だったので、危なかった。 そう思いつつ、美香は大丈夫かと心配になった。 だが美香は浪人して大学に入っていたので同い年で問題なかった。 「今日は来てくれてありがとう。 あの噂は本当なの?けんとにふられたの?」 僕は直球で聞いてしまった。 これはまずかったかな? 「そうなんですよ~。 けんとさん思わせぶりですよね~、だまされちゃいました。」 笑顔でいいつつ、時折悲しそうな表情をする美香。 「そうだったんだね。 でも美香はモテそうだし、またすぐ出会いありそうだよね。」 僕は思ったことをそのまま言った。 「そんなことないですよ~。 でも、もうこうやって噂が流れるサークルでの恋愛はもうしないようにしようかと思ってます。」 美香は笑顔で、はっきりと言った。 僕は心臓を矢で打ち抜かれた気分であった。 それじゃ僕にはチャンスはないじゃないか。。 「そ、そっか、そうだよね。 いろいろ広まっちゃうのは嫌だよね。」 僕は必死にごまかしながら、同調した。 「だから次付き合うとするなら他大学の人ですかね~、だから、出会いはしばらくなさそうです。」 美香は笑いながら言った。 そうか、とはいっても出会いはしばらくなさそうだし、チャンスはありそうだな。 頑張ってみよう。 そのあとは美香の恋話を美香がすっきりするまで聞いて、美香は11時が門限なのでそれに間に合うように解散した。 幸せな時間はあっという間に過ぎ、 一人で帰る夜の時間は寂しさとまだ残る嬉しさが入り交じっていた。 美香は楽しんでくれただろうか、 僕が楽しかったかはどうでもいいんだ。 帰った後、美香からラインが来た。 「今日はとても楽しかったです。 また飲みに行きましょ~!」 これは社交辞令なのはわかっている。 でもうれしい。 美香をもっともっと知りたいと思った。 僕は美香に好きになってもらうために何ができるかを考えた時に、できる限り毎日話すのがいいかと考えた。 だから、毎日美香が電話できるときはラインで電話をした。 それで僕たちは毎日今日あったことやお互いの考え方など話し合った。 美香の愚痴だけきいてて終わる日もあった。 周りからいい子に思われてる子ほど抱えているものが大きいことを知った。 そして、電話はしばらく続いていて、その出来事は突然起きた。 僕は美香に本気の恋をしてしまった。 かわいいの一目惚れだったあの頃が懐かしい。 なぜなら、ある夜、珍しく美香から電話をしたいといわれて電話をしたのだ。 基本は毎日僕から電話をしていたので、僕は胸が高鳴った。 「どしたどした、美香から電話なんて珍しい、なにかあったのかな?」 嬉しい気持ちと、何かあったのかと心配な気持ちを持って、声をかける。 「ううん、なんか夜道を一人で歩くのが寂しくて、声が聞きたくなりました。」 美香が心もとなそうに話した。 思わず僕はだまってしまった。 声聞きたいっていってくれた!寂しいって甘えてくれた! 美香の弱い部分が見れて、かわいさに悶えてしまった。 「そんなときもあるよね、少しでも寂しくならないようにするね。」 僕は声を震わせないように気をつけて、言った。 「ありがとうございます。亮太さんと電話できてよかったです。」 僕なんて毎日幸せだよ。 そう思いながら僕は彼女に言われた言葉を頭の中で繰り返していた。
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