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僕たちの電話はこのあとも続いた。
付き合ってからは敬語もなくなって、美香は自分の思ってる事をしっかりと言ってくれるようになった。
これはいいと思う、これはやだ、と。
悪く言えばわがままなのだが、僕にとっては彼女の本心が聞けるようになった。
そしてこれで彼女を喜ばせられるならと、
時折はっきり言われて傷つきながらも、彼女の気持ちにこたえるようにしていた。
そんな美香は僕がアルバイトで疲れて帰ってきてるときはすごく優しくて、甘やかしてくれる。
調子に乗ると怒られるんだけどね。
そして、家に来ると料理を作ってくれる。
すごくクオリティが高い。
お母さんが栄養士なだけある。
僕らのデートは飲みにいくか、家でまったり、または散歩に出かけることが多かった。
お互いに時間が多く取れるときは、旅行にもいった。
このようにして、僕たちの幸せな時間はあっというまに過ぎて、早1年がたった。
このままずっと続くと思っていた甘い時間は、いきなり終わりを告げる。
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