――幕間――

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「あー……確かに、線路とかにもそういう話が結構あるよね。あたしさ、夜中に一人で線路沿いの道歩いてたら、急に電車の音が聞こえてさ。もう終電も終わっちゃって、始発だってまだ走らない時間帯だったから、びっくりして」  渋沢の相槌に頷きながら、戸波は何やら過去の体験を語りだした。 「お? 何だよ、まだネタあったのか?」 「いや、違くて。どうしてこんな時間に電車が走ってるの? って思いながら音がする方に振り向いたら、電気が点いてない真っ暗な電車が走ってきたの。後でそれ、ただの貨物列車だって知ったんだけど、あれはめちゃくちゃ不気味だったなぁ。異世界だよ、あの光景は」 「何だ、怪談じゃねーし。てか、そんな夜中に女が一人で歩いてる方がヤバいだろ」 「仕方ないでしょ。バイト忙しい時期だったんだもん」  渋沢に言われて口を歪ませる戸波に苦笑しながら、俺はそう言えばと高校時代のことを思いだした。 「なぁ、渋沢。電車って言えばさ、お前高校のとき踏切がどうのこうのって、変な話聞かせてこなかったっけ?」
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