第六話:首なし死体

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 やっぱりあの時、おれは何か得体の知れないモノを見ちまってたのかもしれねぇなって、そんなこと考えて薄気味悪い気分になってたらさ、友人がな、「おい、カーブのとこ、ガードレールの向こうに何かあるぜ」って指差すんだよ。  それで、何のことだと思いながら近づいてひょいっと覗いたら……そこにさ、たぶん悪戯か不法投棄かでどこかから持ってきたんだろうな。  首の無いお地蔵さんが一体、捨てられてたんだよ。  かなり前からそこにあるのか、もう身に付けてる……なんつーのかわかんねぇけど、涎掛(よだれか)けみたいなやつとかもボロボロで汚れも酷くて。  それ見た瞬間、おれハッとしてさ。  昨夜見た首無し死体も、服ボロボロでこんな感じだったなって。  あれ、ひょっとしたらあのお地蔵さんが自分のことに気づいてほしくて、それでおれに姿見せたのかな? って思ったんだ。  お寺とか持っていって供養してやれば良かったのかもしんねぇけど、おれそういうの全然詳しくねぇからさ。  結局そのお地蔵さん、そのままにして帰ってきて……未だ何もしてないんだわ。  たぶん、今もあそこで誰かを待ってんのかもしれねぇなぁ。
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