第七話:峠のテケテケ

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 次の話は、二十代後半の、ちょっとイケメンなお兄さんが教えてくれた体験談です。  羽切さん、テケテケって妖怪聞いたことありますか?  あれって、僕ずっと作り話だと思ってたんですけど、本当にいるんですよ。  僕ドライブが趣味なんですけど、去年の九月に九州の方にある、夜景が綺麗だって噂の山へ遊びに行ったんです。  と言っても、そこは峠道の途中にある車一台が停められる程度のパーキングから眺めることができる夜景なんですけどね。  その部分だけ、うまい具合に木々がなく開けていて、眼下に町の夜景がはっきり見渡せるんですよ。  地元民の間でもマイナーな場所なのか、本当に穴場で滅多に人が来ない場所で。  たまたま友人からその場所教えてもらったものですから、じゃあたまには贅沢に有休でも申請して遊びに行こうってことで、三泊四日の予定で向かったわけです。  車は現地でレンタカーを借りて、それでもう初日はお金の節約にもなるかと、車中泊するつもりでその峠道へ行ったんですけど、最初は別の観光スポットを回ったりしてたものですから、目的地に辿り着いたのが夜の十一時半くらいでしたかね。
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