第八話:死亡事故多発踏切

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 詳しい場所を書いてしまうと身ばれしてしまう恐れがあるので、そこはぼかしておきますが、私の住む町には頻繁に人身事故が発生する踏切があります。  その踏切は幅が非常に狭く、普通の車が一台、ギリギリで通行できる程度の広さしかない場所です。  そのせいか、そこには遮断機が付いておらず、電車が来るときもそのまま線路内へ立ち入ることができてしまう状態になっています。  とは言うものの、あのカンカンカンカン……という警報音は普通に鳴りますし、電車が通過することを報せる赤いランプも作動はしていますので、普通であればそう簡単に事故が起きるような場所でもないはずなのですが。  何故か一、二ヶ月に一件。多い時では二件ほど、その踏切で人身事故が起きるのです。  大抵は歩行者や自転車、たまにバイク。  車との接触事故は、ゼロに近いくらいありません。  警察などが調べても、自殺なのか事故なのか判別は難しく、ただ電車を運転していた車掌が言うには、歩行者、自転車、バイク、いずれの場合もぼんやりと線路内に立って前を向いたまま、警笛を鳴らしても何も反応をしなかった。と、毎回そう証言しているらしいです。
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