第一章 悪夢の始まり

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第一章 悪夢の始まり

其れはよくある話だった。 とある資産家のひとり息子だった父は屋敷の使用人だった母と恋に落ち、駆け落ちして恋を成就させた。 そんな息子の行動に激怒した祖父は父を勘当。 裕福な生活から一転、貧乏生活を送る事になった父だったが生来の気品、優雅な物腰、人当たりのよさなどに加えて生まれ持った運のよさから困窮した生活ながらもそこそこの幸せを得て母と、そしてふたりの間に生まれたひとり娘である私の親子三人で恙無く暮らしていた。 ──しかし其のささやかな幸せも父の突然の死という形で幕を閉じた 父は川で溺れている子どもを助けようとして溺死してしまったのだ。 父が命を落として助けた子どもは幸いにも助かった。 まだ私が3歳の時の話だ。 当然私は父の事をよく覚えてはいなかった。 其れから母は女手ひとつで私を育ててくれたけれど、少しずつ溜まっていた心労が原因で私が15歳の時に他界した。 そして私の生活は一変した───
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