謎の屋敷と荒れた庭

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謎の屋敷と荒れた庭

「結構遠いなぁ……」  祖父の手紙をもらった僕は翌日、その地図を頼りにその場所へと向かっていた。  庭師に必要な道具をバッグに入れて町を出た僕は馬車に乗り目的地の近くまで向かい、そこからは徒歩。 「こんな山奥にある、とは聞いてないよ……」  今、現在山道を歩いているけどかなり急な坂道を登っている。  もしかして、道に迷っているんじゃないだろうか、と不安になりながらも僕は登って行く。  するとようやく平坦な場所に出た。 「あれは……、門かな?」  近づいていくと立派な鉄の門が現れた。 「地図によると此処みたいだけど……、どうやって入ろう」  鉄門は固く閉ざされている、鍵穴を探したけど無い。 「どうしたもんだろうか……?」  折角来たのに引き返す訳には行かない。  悩んでいると 『訪問者を確認、名前を言ってください』  いきなり声が聞こえた。 「へっ!? えっと……セイル・ラダムです」 『訪問者セイル・ラダム、確認しました。入場を許可します』  そう言われると鉄門が開かれた。 「マジか……」  僕は恐る恐る中へと入って行った。  そして、僕の目の前に飛び込んできたのは荒れた庭と随分と古い屋敷だった。  えっ、何此処?  とりあえず、屋敷に近づき扉を開けてみる。 「うわっ、広い……」  屋敷は薄暗いけど所謂貴族のお屋敷みたいな感じ。 『ようこそ、いらっしゃいました』 「ひゃぁっ!?」  いきなり声が聞こえて驚きの声を上げた。  薄暗い闇の中から光が現れてそれに照らされた顔を見れば誰もが驚くだろう。 『私、この屋敷のメイドをしております『メイラ』と申します」 「メ、メイド……? て言う事はお爺さんの事を知ってるの?」 『はい、私はリアヌ様にこの屋敷の管理を任されております』
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