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祖父の遺産
翌日、僕は父さん、マリアナと共に祖父の家へ向かった。
「庭の中で倒れていて・・・・・・、昨日は朝は元気だったんですが・・・・・・。」
お手伝いさんが泣きながら祖父の最後の様子を教えてくれた。
「庭で死ぬなんて・・・・・・、親父らしいな。」
父さんはしみじみと呟いた。
祖父の死に顔は満足そうな顔で安らかだった。
次の日には祖父の死は国に広がり祖父の弟子とか親戚とかが弔問に訪れた。
まぁ、そうなると祖父の残した遺産の行方である。
これに関しては父さんが親戚と相談しながら分けていった。
「セイル、お前にもあるみたいだぞ。」
「えっ!? 僕にも?」
「死ぬのを覚悟していたのか、お前宛に手紙があったんだよ。」
そう言って1枚の手紙を渡された。
『我が孫セイル、この手紙を読んでいるという事は儂はもうこの世にはいないだろう。儂の事だから庭いじり中にポックリと逝っておるだろうが儂にとっては本望だから悲しむ事は無い。さて、お前に残したい物がある。実は儂が庭師として名を馳せたのには秘密がある。その秘密は限られた者にしか教える事が出来ん。お前にはその素質がある。これはお前の今後の人生にきっと良い影響を与えるだろう。地図を残しておくので1回は行ってみてほしい。』
秘密?
「う~ん、親父からは技術とか教えられたが・・・・・・。」
「お爺ちゃんの秘密てなんだろう?」
父さんもピンとは来てないみたい。
「ただ、セイルに期待しているのはわかった。」
うん、それがわかった時点で僕は嬉しかった。
まずは地図の所に行ってみる事にしよう。
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