活動を続ける者

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活動を続ける者

   ここは光が差し込む事すらない倉庫の中……。  小さな照明を照らす。  やっと薄暗い状態になった。  私は成美 桜花。目の前には、両腕を後ろに回され、上半身を縛り上げられ、何とか立つことが出来る状態で、吊らされている若い素敵な女性がいる。  彼女をこんな状態にしたのは私だけどね。  いけない……。  彼女の泣きながら怯え続けている表情を見ていたら、笑いが止まらなくなってきちゃった。 「ねぇ~。お姉さん。昨日、かっこいい男の人の顔面にグラスの水を浴びせた時のかっこよくて可愛かった表情をみせてよ~。お願い~」  私は彼女の顎を撫でながら、笑みを浮かべて話しかける。 「お願いします。こんなことは止めて下さい」  彼女は泣きじゃくりながら、震えた声で答える。 「私はかっこよくて可愛い表情を見せてって、お願いをしているんだよ~」 「お願いです。もう、許して下さい」  表情はくしゃくしゃになり、震えは酷くなる一方になった。 「言う通りにしろ!このカス!」  私は左アッパーを彼女のボディーにめり込ませるように叩き込む。彼女は蛙が泣くような声を上げ、項垂れる。 「なぜ、こんなことを……。や、やめてください」 「楽しいからに決まってるだろ!このボケ!」  左右のフックで顔面を殴り、左の蹴りを胸に叩き込む!  口から鮮血が滴り落ち、ぐったりと頭を垂らす。 「こ、ころしてやる……。絶対に許さない……」  彼女は鋭い目つきで私を睨み、弱々しい声で私に啖呵を切る。 「今のはかっこ良かったよ~。けど、可愛さが足りないな~。残念だね~」  左の蹴りをボディーに叩き込み、右ストレートと左フックで顔面を打ち抜き、左の膝をボディーにめり込ませる。左右の拳に感じる硬い物を打ち砕いた時に感じる手答え、膝に感じる柔らかい物に喰い込み、更に奥へと突き刺さっていくような感覚が堪らない。  息を途切らせながら、咳き込む度に口から血を吐きだす。彼女の足元に数本の歯が落ちる。  更に両脇腹に左右のフックをめり込ませ、左の蹴りを太ももに叩き込む。  左右の拳は硬い殻のような物を砕き、中の柔らかい物にめり込み潰したような感覚。左足の甲は柔らかい物の中に喰い込み、中にある硬い物を破壊したような感覚。それぞれの感覚に熱さが伝わり、笑みを溢さずにはいられない。  彼女は濁った声を張り上げ、上体をびくと震わせるように反らせ、右脚が右側にくの字に曲がり、だらりと垂れ下がったような感じになり、左脚で必死に身体を支えているような状態になった。  ぜえぜえと荒い息を吐き、身体をびくと何度も震わせながら、血を嘔吐するかのように吐き出す。  ナイフを握り、彼女の頬を軽く何度も叩く。彼女はしゃくり上げるだけで、私の言葉にまともに反応をしてこなくなってきた。  つまらない……。  ナイフの先を鼻の穴に突っ込み、思いっきり突き上げ、鼻を引き裂く!  鼻の右側の皮が捲れ上がり、鮮血が飛び散り、彼女の悲鳴が余りにも心地良く響き渡る。  血飛沫が私の笑みを深紅に染め上げて行く。  私は満面の笑みを浮かべながら、釣り針を大きくしたようなフックを手に取り、彼女の目の前に翳す。 「楽しいのはこれからだよ~」  私は彼女のスカート、ストッキング、そしてパンティーを切り裂き、下半身を露出状態にして、フックを彼女の股間に突き刺し、深々と喰い込ませる。  彼女は濁り切った声を張り上げ、身体をびくと大きく震わせた。  フックの先端に突いているロープを、彼女の頭上に設置した滑車に引っ掛け、思いっきり引っ張る!  柔らかい物を切り裂きながら、進んでいく鋭いフックの瞬間的な手答えを、両手にしっかりと感じ取る。  フックは引っ張れる勢いのまま、下腹部を縦にスライドし、切り裂きながら皮を両側に捲り上げて行く。彼女の下腹部を切り裂いたフックは深紅に染まり、鮮血の滴をポタポタと落としながら、空中でブランコのようにブラブラと揺れ続けた。  股間から流れ出す鮮血が、地面に滴り落ちて行くと同時に、両脚を伝い赤いラインが幾重にも重なり交差を繰り返し、サイケデリックな模様を描いていく。  私は更に大きくて太いフックを手に取る。  左手で彼女の髪の毛を後ろから引っ張り、フックを彼女の口の中に強引に押し込み、上顎の奥に引っかけ、フックから繋がるロープを彼女の頭上の滑車に引っ掛けて、ロープを巻き取る器具に固定する。  私は笑みを浮かべて、ハンドルを回しだす。  メキメキと頭部が下顎から離れようとする音が、長年の使用に耐え抜いた機械が軋むように響き出す。ハンドルを回す両手に更に力が入ってくる。  フックは私が伝える勢いに任せて、機械的に上へと動こうとするだけだ。ブチブチと細かい配線のような物が引き千切れる音が響きだす。  ハンドルを回す両手が更に熱くなり、心が蕩けるような温かさに身体が包まれていく。  生乾きの木が折れるような感じの湿った鈍い音が倉庫内を駆け巡る……。  フックの先端に引っ掛かっている、上顎、全く生気を感じない、今にも飛びだしそうな両眼、潰れかけた頭部からだらりと垂れ下がった長い黒髪。ぼたぼたと落ちる鮮血と一緒に、脳味噌が地面に落ちて飛び散った。  終わっちゃった……。  刑事を四人も殺したから、今回こそは暫く大人しくしていようと思ったけど……。  やっぱり駄目だよね!  楽しい事って、我慢できないよね~。  私は彼女の鮮血を使い、壁に『エリーナ 作品8』と書き記す。  ところで……。  ジョーくんは元気でやっているかな……。
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