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「フルアタックーーーー!!」
オーラが消え去り、ヴラドが僅かに首を仰け反らせ動きを止めた瞬間、レインが叫び色とりどりのライトエフェクトが竜の巨躯を斬りつける。
どうやらオーラのギミック解除後はかなり長いスタンを課されるようで、ヴラドが再び動き始めたのはレイン達が二回目のフルアタックの技後硬直から脱したタイミングだった。
この時点での彼のHPはおよそ五分の一程度減らしたところ。
さすがにこのHPバーの間に同じくらいの隙を晒すとも思えないので楽観視は出来ないが、減り方を見るにボスの中ではさほどHPや防御力は高くないようだ。
「チェリオさん無理に突っ込まないでください!」
「くっ……!わかった!」
攻撃している内に頭に血が上ってしまったのか、一人突出してヴラドに接近してしまっていたチェリオにセンからの鋭い指摘が飛ぶ。
次の瞬間やはりというかヴラドの丸太のような前脚がチェリオを薙ぎ払おうとするが、それは間一髪で盾によるガードが間に合い、若干の貫通ダメージと大きく後ろに吹き飛ばされるのみで済んだ。
「大丈夫かチェリオ!」
「問題ない! 悪い!」
ムヒによる手当とバフを受けながら気遣うレインの言葉に返しつつ、再び盾とメイスを構えて戦線に復帰する。
流石に人型の敵が急にドラゴンになるとは予想できていなかったのか、俺の背後では前線組のメンバーが慌ただしく役割やローテーションを決めているが、彼らの用意が整ってスイッチを要求してくるまでにレイン達がどれくらい削れるかがMVPを獲得できるかどうかの分水嶺になるだろう。
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