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「ただいま〜」
その後、今回は俺達もダイスロールに参加して報酬をきっちり確保してから帰路に着き、マザータウンに辿り着いたところでレイン達と別れマリアさんの万屋へと帰宅する。
帰宅を告げる挨拶と共にドアを開けると中からガタガタッ! という物音が聞こえてきて、茶会を開催していたであろう窓際のテーブルから部屋着姿のルナとシャインが駆け寄ってきていた。
「二人ともおかえりなさい!」
「う、うん。ただいま」
「戻りました……」
やけに弾んだルナの声に少しだけ困惑しつつも応じると、セブンも小さく苦笑を浮かべつつ帰宅を告げる。
「流石のセブンもお疲れね。今回のボスはそんなに厄介だった?」
「ボスがというか、やっぱりメインウェポン無しの縛りプレイがキツかったですね……ライトさんも本領じゃなかったですし」
「ちょっと動きづらそうだったしな……ほんとお疲れさん」
どこか疲れた様子のセブンを気遣うシャインの言葉に、セブンは苦笑を浮かべたままそう答える。
変装の為とはいえやはり武器から何から一新していきなりボス戦というのは彼女にとっても一筋縄ではいかなかったようで、戦いの中でも普段通りの剣技の冴えは身を潜めていたように見えた。
「弘法は筆を選ばず」とは言うものの、その実達人こそ十全の能力を発揮するには筆を選ばねばならないということなのだろう。
「すぐお菓子とお茶用意するから、座っててね!」
「う、うん。そういえばマリアさんとリリアさんは?」
「マリアは奥の工場で仕事、リリアはその買い出しを頼まれたから商業区の方に出てるわよ」
パタパタとスリッパを鳴らしてキッチンの方へと駆けて行くルナを見送り、ティーセットが出ているテーブルの方へと歩きながらシャインに不在の二人の行方を聞くと、そんな答えが返ってくる。
「っていうかアンタ……いや、アンタがそれでいいならあたしはむしろいいんだけど」
「……? なんだよ」
「や、着替えなくていいの? 女装」
「……………着替えてくる」
シャインに言われ、すっかり自然にスカートを巻き込まないように押さえながら椅子に腰掛けていた自分に気付き、慌てて立ち上がり自室へと引っ込んだのだった。
「……うーん、こんな時でも走り方は女子」
「ちょっと仕込みすぎたみたいですね……週明けから大丈夫かなライトさん……」
「………最悪また矯正しなきゃかもね」
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