3章:レッツクッキング

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「はい、お疲れ~」 と日払いをもらうと、日給6000円の現実を思い出し ふと心に魔が差した私は 「あ、あの~…お給料って、もう少し上がらないですか?」 とちゃっかり、給料UPを2日目にして懇願していた。 すると隼人さんは意外と簡単に 「いいよ~。頑張ってくれそうだしね」 と言ってくれた。 私は平民が貴族にひれ伏すように頭を下げ 「ありがとうございます! あの、や、家賃の分が貯まりましたら、それからは 日払いでなくてもいいですので! 助かります!ありがとうございます!」 とお礼を述べた。 言ってみるものだなぁと驚いた。 「…チーフ、家賃滞納してんの?何貧乏?」 隼人さんが苦笑いしながら聞いてきた。 何貧乏…? しいて言えば、リストカット貧乏かな… うわっ、キモっ… 自分で思いついた答えに引いてしまった。 絶対言えない。 「いえ、まだ滞納はしてません!しそうなだけで! …貧乏なのは、労働意欲がなかったからです!」 「…そう。とりあえず明日も待ってるから。 あと、そうだ、これからは終電で帰れるようにしていいから。 ラストまで残らなくていいよ」 「っっしゃ…! あ、ありがとうございます!遠慮なく、帰ります!」 危ない危ない、つい喜びで、うぉっっしゃぁ!と言いながら、 ガッツポーズをとるとこだった。 また明日も頑張ろうと思えた。 家賃もどうにかなりそうだし、寝床を失わずにすむぜ! とほっとできた。 隼人さんは口元だけでニッと笑いながら 手をヒラヒラと振り、出て行った。 私はニヤニヤしながらも、疲れに負けて また椅子に座って脱力した。
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