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「はい、お疲れ~」
と日払いをもらうと、日給6000円の現実を思い出し
ふと心に魔が差した私は
「あ、あの~…お給料って、もう少し上がらないですか?」
とちゃっかり、給料UPを2日目にして懇願していた。
すると隼人さんは意外と簡単に
「いいよ~。頑張ってくれそうだしね」
と言ってくれた。
私は平民が貴族にひれ伏すように頭を下げ
「ありがとうございます!
あの、や、家賃の分が貯まりましたら、それからは
日払いでなくてもいいですので!
助かります!ありがとうございます!」
とお礼を述べた。
言ってみるものだなぁと驚いた。
「…チーフ、家賃滞納してんの?何貧乏?」
隼人さんが苦笑いしながら聞いてきた。
何貧乏…? しいて言えば、リストカット貧乏かな…
うわっ、キモっ…
自分で思いついた答えに引いてしまった。
絶対言えない。
「いえ、まだ滞納はしてません!しそうなだけで!
…貧乏なのは、労働意欲がなかったからです!」
「…そう。とりあえず明日も待ってるから。
あと、そうだ、これからは終電で帰れるようにしていいから。
ラストまで残らなくていいよ」
「っっしゃ…!
あ、ありがとうございます!遠慮なく、帰ります!」
危ない危ない、つい喜びで、うぉっっしゃぁ!と言いながら、
ガッツポーズをとるとこだった。
また明日も頑張ろうと思えた。
家賃もどうにかなりそうだし、寝床を失わずにすむぜ!
とほっとできた。
隼人さんは口元だけでニッと笑いながら
手をヒラヒラと振り、出て行った。
私はニヤニヤしながらも、疲れに負けて
また椅子に座って脱力した。
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