3章:レッツクッキング

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なんか学校の帰りの会みたいだなぁ。 仕事してるんだし、子供扱いしちゃ悪いけど。 と思っていた。 なんだか、男子校の食堂のおばちゃんにでもなった気分だった。 それにしても、あー疲れた!と 椅子から溶け落ちそうになっていると ミーティングが終わったようで、小汚いキッチンには似合わない 王子様っぽい人が現れた。 語彙力がなさすぎる言い方だが、THE ホスト! という感じだ。 どこで買えるのか皆目見当もつかない、白いスーツを綺麗かつ完璧に 着こなし、営業後だというのに サイヤ人的髪型もキマったままだ。 それはVO5というハードヘアスプレーで固めているからも あるだろうが、全てが乱れている私とは天と地の差があった。 私は溶けかけていた姿勢を直した。 ま ぶ し い… とその王子様キャストのキラキラオーラに目を細めていると、 「チーフ親子丼、ちょー美味しかったよ。ご馳走様。 明日もなにか頼むから~。 俺、海っていうの、よろしくね」 とさわやかすぎる笑顔で言ってきた。 思わず立ち上がり 「あ、それならよかったです…どうも」 と、かろうじて目を見て言うと 「じゃっ」 とこれまたさわやかに手をあげて帰っていった。 白いスーツの王子様か…ありゃ白馬の王子様だな…1人2役で…。 と訳のわからないことを、疲れた頭でぼんやり思っていると 隼人さんがキッチンへ入ってきた。
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