1章:19歳、夏の終わり

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「………。」 数秒考えたが、キャバクラも風俗も、今の私は絶対に絶対に面接落ちるよ…と思った。 キャバクラはたまにバイトしていたこともあるのだが、 今の手首も背筋も根性も曲がった、頭がおかしい女に誰がお金を払うのだろう。 「そういうんじゃなくて…ああいうBARのキッチンとかがいい…」 と、たまたま近くにあったショットバーを指さし、またしても普通ならキャッチ男に相談しないようなことを言った。 簡単なおつまみを作ったりするような、裏方だったらできるかな…などと思ったのだ。 でも普通に考えて、この男がそんな仕事を紹介するはずがない。 会話終了だな!帰ろう!とまた足を動かそうとした。 なのに 「マジで!あるよ!!」 と元気な返答があった。 やった!仕事!! と思ったのも束の間、 「ホストクラブでだけど! 今ちょうどいないの!キッチン! ちょっと待ってて、電話するね」 「…え?」 えっ?!ホストクラブ? なんでそうなる? とびっくりする私をおいて、 すでに男はスチャッと携帯電話をとりだし 「あ、もしもし社長~? キッチンやりたい子見つけちゃったんですけど~♪ …そうそう、はい… ねぇ、 君経験とかある?」 君経験とか~のあたりで電話から顔を離し、私へ聞いてきた。 「えー…と、経験はないけど、調理師免許ならある」 と答えた。 私は中学校卒業後の1年間、バイトしながら調理師専門学校へ通っていた為、本当に調理師免許は持っていた。 だがそれを活かすような仕事をした期間はそこまで長くない為、 素人に毛が生えそうで生えないあたりのレベルだ。
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