あらすじとプロローグ

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あらすじとプロローグ

あらすじ:高校1年の夏、彼方は航との水泳競争に負けてしまい罰ゲームとしてクラスで1番目立たない女子、宮下遥香に告白させられることになる。恋愛に憶病だった遥香も最初は冗談だと思い断ったが、彼方の追試勉強を見るうちに遥香も彼方の事を好きになり交際へ発展した。 3年後、2人は高校卒業を機に結婚することを決意した。卒業後に入籍を済ませ2人で新しいスタートを切った。 それから半年後、遥香の妊娠が発覚し彼方は新しい家族が増える事を喜び、これから幸せな日々が訪れようとしていた矢先に、彼方が会社の健康診断で末期癌が見つかり余命3か月だと宣告される。 突然の死刑宣告を突きつけられた彼方は、娘と一緒にバージンロードを歩くことが出来ないことを悔やみ、次第に塞ぎ込むようになってしまった。 生きる希望を失った彼方はある日、高校1年の時に遥香から借りた小説 「空の彼方」 を思い出し、その物語に出てくる1度だけ自分の人生に関わる人が暮らす時代に渡れると言う事を思い出し、物語に登場する古びた境内へ向かい藁をもすがる思いで娘の花嫁姿を観たいと願う。 その直後、急に天候が荒れ土砂崩れが起きてしまい彼方は、土砂に巻き込まれてしまった。死を覚悟した彼方が目を覚ますとそこは、20年後の世界へとタイムスリップしていたのだ…… プロローグ  空の彼方…… 俺は今、高校1年の時、妻の遥香とよく一緒に手を繋いで下校した時に話したある事を思い出しながら、ある場所を目指し暗い夜道を一人でひたすら歩いている。 「ねえ彼方君は空の彼方って言う小説知っている?」 「わりい、知らねえ。」 「すごい面白いのに…… 」 「ごめん、ごめん。ちなみにどんな話だか教えてくれよ? 」 この時の遥香は目を輝かせながら俺に 「空の彼方」 の魅力を語ってくれた。 しかしこの時の俺は、特に気にも留めていなかった。だが俺は今、最後の望みを賭けて物語に出てくるあの奇跡の場所へ向かっている途中だ。 それは俺が末期の癌に侵されていてもうすぐこの世から居なくなってしまうからだ。 そう、この物語は高校1年の夏に親友である日下部航と水泳競争をした事がきっかけで俺は妻である、宮下遥香と出会いそこから俺たちの舞台の幕が上がったのだ。
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