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「そうやって、会ってない時もあき君が僕の事を考えてくれてると思うと凄く嬉しい」
ずっと考えてるし。はるさんでいっぱいだし。
「もう言わない」
「うん、もう忘れてそいつらのこと。俺のことだけ考えて」
「幸せ過ぎてどうにかなりそう」
さっきの奴も厄介なんだけど。
「あいつ、大丈夫かなぁ。またなんか仕掛けてきたら言ってよ」
「うん」
「絶対だよ。誰かに抱かれてるはるさん見るのは嫌だ」
先日の光景を思い出す。
「抱かれてない」
「だから、好きな人が誰かに触られたり抱き込まれたり、もうやだ」
背中に回した腕に力を込める。
「全部話す約束だからね」
「さて、あきら」
夕飯時、母さんと兄さん三人で食卓を囲むなんていつぶりかと思うほど久しぶりだ。いただきますと手を合わしてから、母さんが話始めた。
「あきらはいつもどこにお邪魔しているの?」
先週ははるさんの西田の件があり、いつもなら週末だけの外泊が平日にしかも連泊していた。隠しても仕方がない。いずればれるだろうし話てるほうが色々動き易い。
「付き合ってる人の家。それと母さん、兄さん」
口の中のものを飲み込み、箸を置いた。
「七月から、付き合ってる人がいてストーカーっぽいことされてて心配だから泊まってた。一人暮らしだし」
兄さんも母さんも箸を止めた。
「年上なのか?」
「うん」
「大変じゃない。大丈夫なの?」
「うん。話つけたし」
「お前が?」
「一応、とどめは俺が」
「「あきら……がねぇ」」
二人が声を揃えて言う。それどうなの?
気をとりなおして、
「時々、これからも泊まるよ」
「ご迷惑にならないように、避妊だけはしっかりね」
母さん、ある意味凄い。まあ妊娠はないけどね。
キッチンに並んで久しぶりに兄さんと後片付けをした。母さんはその間お風呂に。良く出来た息子達だ。
「勉強と家事と大丈夫か?」
「大丈夫だよ、家事好きだし」
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