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予言された結末
「地球はもうすぐ終焉を迎える。」
とある高名な占い師がそう呟き、死んだ。
この事を受け、政府の上層部はパニックとなった。
この占い師は過去にも何度か大災害や、事件などの予言をしており、全て的中させていた凄腕なのだ。
予言が実現してしまう可能性が高いと考えた
政府はこの事を国民には秘密にし、最重要機密事項に指定し、世界中から科学者を集め、調査を開始した。
そして今から約二年後に大きな隕石が地球に激突する事が調査の結果判明する。
「占い師の言っていた事はこの事だったのか。」
科学者たちは改めて死んだ占い師の予言の的中率に感心した。
すぐに政府は隕石の破壊の為、特殊チームを編成、
派遣する。
沢山の問題が立ちはだかった。
破壊の為のロケット開発の莫大な費用問題、
開発の為の時間、労働力の不足など、あげればキリがない。
しかし、科学者達はそれこそ不眠不休で働いた。
過労死する者も出たが、科学者達は不満の一つも吐かなかった。
そしてついにロケットが完成、チームは隕石へ向かって飛び立って行き、そして見事破壊に成功した。
彼等は地球を救った英雄として地球に迎え入れられた。
長年の努力がついに実ったのだ。
政府の科学者や役人達もホッと胸をなでおろす。
これで地球は救われた。
みんな酒を飲み、踊り騒いだ。
地球をみんなで救い、守ったのだ。
俺たちは地球を救った英雄なんだぞ。
朝まで彼等は飲み明かした。
みんな幸せな気持ちでいっぱいだった。
その翌年、予言通り地球は滅んだ。
原因は簡単。
最重要機密事項であるはずの予言の情報が酒に酔った1人の科学者がうっかり口を滑らし、国民に漏れたのだ。
そして世界中で大暴動が起こった。
「隕石が地球に近づいている。
それなのに政府は我らに秘密にし、ロケットを開発していたらしいぞ。」
「我ら国民を見捨て、地球からそのロケットで脱出するつもりだったのだな。」
政府の必死の説明にも耳を貸さず、彼等は政府の科学者や役人達を全てなぶり殺しにした。
なぶり殺しにされる間際、政府の連中は思い知る。
地球を滅ぼすのは隕石なんかといったものではない。
いつだって人間なのだと。
まあ、それに気づいた所でもう遅いのだが。
政府の連中をなぶり殺しにしても暴動は収まらなかった。
政府の開発したロケットを巡って世界大戦が勃発。
人々は殺し合いを始め、銃、毒ガス、挙げ句の果てには核兵器をも使用し、世界は炎に包まれた。
こうして、世界は結局人間の手によって終焉を迎えた。
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