19人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ。皆も知っているだろうが、艦長職は、その職についている者が病気や怪我などで指揮を執れる状態ではない時に限り解任が可能で、代行者を任命できる。そしてその代行者は、副長である私だ。よって私がグラヴェール艦長に代わり、アスラトルへ帰港するまで艦長を務めると言っているんだ」
「ジャーヴィス副長、一体艦長の身に何があったんですか!?」
「そうですよ! 一方的に艦長になると言われましても、どうしてグラヴェール艦長がロワールハイネス号の指揮を執れないのか、副長はまだ僕らに説明してくれてません!」
「何があったか知らねぇですけど、冷静な副長らしくない」
シルフィードがそっとジャーヴィスの隣に近づき、二人だけにしか聞こえないくらいの小さな声で呟いた。
「越権行為、ですよ。正当な理由じゃなかったら、反乱罪で軍法会議ですぜ?」
シルフィードが心配してくれるのは、ジャーヴィスにもよく理解できた。
ジャーヴィスは腕を組んだまま静かに頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!