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「失礼します」
シルフィード達の声を無視して、ジャーヴィスが艦長室の扉を開けた。
「中に入れ。そら……みんな入ったな」
「――」
ジャーヴィスはシルフィードやクラウス、見張りのエリックの顔に安堵の表情が浮かぶのを、艦長室の扉の前で眺めていた。
彼らは艦長室の真ん中にある、応接机の対面――藍色の長椅子に体を横たえ、目を閉じているシャインの姿を見ている。
いつ呼ばれてもいいように、すぐ起きて甲板に上がれるように、シャインはケープのついた青い航海服姿のままだった。
「なんだ。脅かしやがって。艦長、やっぱり寝てるんじゃないですか」
悪い冗談はやめてくれ。
シルフィードの言葉をジャーヴィスは唇をひきつらせて遮った。
「ああ。グラヴェール艦長は眠っている。どんなことをしても、一向に目を覚まさないがな」
「えっ?」
「ええ?」
「ええええええ――!?」
「そんな馬鹿な」
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