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アラームの音で僕は、飛び起きた。
ペナルティは、まだ続いていたから急いで顔を洗いに洗顔場へ。
それと入れ違いに金田さんが帰ってきた。
酷く疲れきった顔。
一睡もしていないのか目の下にクマが薄ら広がっていた。
リビングに着くなり倒れるようにソファに寝そべる金田さん。
そこに炭さんも帰宅した。
炭 「…ぁ〜…風麻さんに酒注がれると無理に飲んでしまう……。…もう少し割って……ん?」
水を飲もうとキッチンに向かう途中でリビングを通る。
そこにソファにぐったりと横になる金田さんを見つけた。
炭さんは、声を掛ける。
炭 「…金田。…部屋で寝ろ。風邪引くぞ。」
金田さんは、少しうめき声のような返事をしたが、身体が動かない。
そこに僕が顔を洗い終わってリビングに来た。
空 「あ…炭さん、おはようございます。…ん?…金田さん…?」
ソファでぐったりしてる金田さんを見つけた僕。
炭 「……金田、部屋まで連れて行くからな…。」
炭さんが金田さんを起こそうとした時
金田「…ぃ…てぇ……。」
その言葉を聞いた僕。
炭 「…またか…?」
違う………。
空 「…炭さん。…このままここで寝かせておきましょう。…これ、掛けておけば風邪引きにくいと思います。」
僕は、自分が使っていたブランケットを金田さんに掛けた。
金田さんの足……ちょっと出るな…。
僕だと調度いいのに……。
空 「…金田さん…寒くないですか…?」
金田さんが少し目を開けた。
何か言った気がしたけど、ごもごもして聴き取れなかった。
僕は、また気付いてしまった。
金田さんのシャツから少しだけ見えた「痕」。
………また付けられたんだ。
……何で?
嫌そうなのに……。
辛そうなのに……。
炭 「……ハルは、誰にでも優しいな…。」
炭さんが僕に言った。
空 「炭さんだって、優しいですよ♪…皆の事、ちゃんと解ってますし、ご飯だって皆の分、作ってくれますし♪♪」
僕が笑顔で言うと炭さんが僕には、見えない目で見る。
炭 「……皆……か…。」
立ち上がりキッチンへ向かう炭さん。
炭 「……ハルは…いつか俺に恐怖感を抱くようになる…。」
僕は、炭さんが言った言葉の意味が理解出来なかった。
炭さんに対して僕が恐怖感を…?
初めて目にした炭さんは、確かに怖い印象があった。
……でも、シェアハウスで暮らすようになって、炭さんの最初の時の印象と全く別ものだったから……。
……炭さんって、何者なんだろう?
私生活が全く見えない。
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