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高校に進学した時。
入学式で一際目立つ同い年の彼…。
大翔(はると)君。
僕は、一目で大翔君が好きになった。
背が高くて声は、少し低め。髪の毛は、黒色で右に少し分け目をつけて毛先が癖毛で跳ねてるけど襟首まで長くしてカッコいい!
クラスが一緒だったのもラッキーだったけど、何よりも僕に話しかけてくれたのが凄く嬉しかった。
共学の高校だし、いずれは大翔君に彼女が出来たってしょうがないよねぇ。
…って、思っていた。
下駄箱は、毎日のようにラブレターで溢れて、大翔君が休み時間に体育館でバスケしてると女子生徒の熱い視線がジリジリ。
バレンタインもドッサリ食べきれないからと、僕や友達にお裾分けしてイヤミたらたら言われても気にしてないし。
勉強も得意でクラスのムードメーカーで、先生とかにもズバッと言い返してる。
文化祭でバンド組んでステージに立っても、ヴォーカルとかじゃなく影の方で音響とかしてて皆を起ててる。
そんな凄い大翔君でも誰にも言わなかった弱音があった。
その話をするきっかけを作ってしまったのは、僕がクラスの友達と話していた内容。
僕は、生まれて直ぐ孤児院の入り口に置いて行かれた。
僕の空(そら)という名前は、孤児院の人達が付けてくれた名前。
その話を少し遠くで聞いていた大翔君が僕に放課後に残るように言ってきた。
僕は、かなり嬉しかった。
だって……。
大翔君と二人きりで教室に居れるなんて夢のようだったから~……。
…でも、そんな変な期待をしたら大翔君にオカシイと思われるから顔には、出さないように頑張ってニヤケ顔を堪えてましたよ。
そして放課後。
大翔君は、爆睡していた……。
自分から残れとか言いながら忘れたの?
……寝顔可愛い…。
…いや、カッコいい……。
こんな寝顔ずっと見ていられる将来の奥さんになる人が羨ましいよ。
絶対なんて無いかもしれないけど、僕じゃない事は、確かだよねぇ……。
触りたい。
今すぐ、その黒くて触り心地ちの良さそうな大翔君の髪の毛に触りたい…。
………でも、触れない。
……………僕から触ったら………。
中学の時と同じになるから。
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