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個室には、何か見たこともない物が沢山ある。
あんまりジロジロ見たら悪いから目線を床に下げた。
店長 「えーっと…。もう高校は、卒業してるんだね?」
空 「はい。」
控えめに返事。
店長「得意分野は?」
空 「…えー…掃除…とか…。」
店長さんの目が、はぁ?って言ってるのが解った。
店長 「いや、そういうのじゃなくて…。…君、ちゃんと求人に募集した内容読んだ?」
………………これは、不味い!
実際、内容云々じゃなく給料内容しか見てない。
それを素直に話したら間違いなく採用されない!
こ、ここで食い下がる訳には……。
空 「ぼ、僕は、男性しか性的に見れません!な、何事も経験が大切だと思うので、これから色々勉強させてください!」
この内容は、高校の時に面接の練習で先生が教えてくれた一文。
初めての就職で直ぐ仕事内容を覚えるのは、難しい。だから仕事も勉強だと思えばいい。経験が大事だ。と、良く言ってくれた。
食い入る僕に店長さんは、少し引いたけど…
店長 「…じゃあ、ちょっと試しに…。おーい!」
誰かを呼ぶ店長さん。
店長さんの声に個室のドアが開いた。
たくや「…はーい。何スか?」
一人の男性が店長さんと話をしていた。
な、何かカッコいいけど、髪の毛緑色だし、鼻と口にいっぱいピアスしてるし、チャラそうな男の人だなぁ……。
店長 「君、こっちでちょっとやってみて。たくや君、宜しくね。」
と、言われて店長が個室から出て行った。
残された僕。
そして目の前にいるチャラ男くん。
な、何を試すの?
な、何をやってみるの?
チャラ男くんこと、たくや君は、僕に近付きながら…。
たくや「…とりあえず…起たせて。」
はあぁぁぁぁ!?!?!?!?
椅子から勢い良く立ち上がる僕。
た、試すって…そういう事かい!
空 「い、いや…!あのぉ~…。」
たくや「起たせるぐらい出来んだろ?ヤったことねぇの?フェラチオ。」
あ、あるよ!
で、でも、そんな一回しかないよ!
だ、だ、大体そういう起たせる前に、起ってました!!
先輩はねぇーー!???
空 「ほ、ほほほホント…むむむ無理ですぅぅぅ!!」
だって、本当に一回だけだったし…。
ほんの少しの時間だったし……。
そんな苦くて辛くて苦しい記憶を思い出したくないよ……!
たくや「良いからヤれよ!てめぇを試しとかねぇと、俺の給料カットされんだよ!」
そ、それ僕に関係ありますか――!?!?
たくや君がズボンのチャックを下げて出してきたモノを見た時に………。
勃起すらしていない性器の大きさに、同じ男として敗北を感じた僕。
見た目もチャラ男で下もチャラ男なたくや君……。
女性なら大喜びだろうに。
良いモノ持っててゲイなんて悲しすぎる………。
って…………。
今は、そんな事を考えてる場合じゃない~!!!
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