天職の第一段階

3/5
前へ
/621ページ
次へ
個室には、何か見たこともない物が沢山ある。 あんまりジロジロ見たら悪いから目線を床に下げた。 店長 「えーっと…。もう高校は、卒業してるんだね?」 空  「はい。」 控えめに返事。 店長「得意分野は?」 空  「…えー…掃除…とか…。」 店長さんの目が、はぁ?って言ってるのが解った。 店長 「いや、そういうのじゃなくて…。…君、ちゃんと求人に募集した内容読んだ?」 ………………これは、不味い! 実際、内容云々じゃなく給料内容しか見てない。 それを素直に話したら間違いなく採用されない! こ、ここで食い下がる訳には……。 空  「ぼ、僕は、男性しか性的に見れません!な、何事も経験が大切だと思うので、これから色々勉強させてください!」 この内容は、高校の時に面接の練習で先生が教えてくれた一文。 初めての就職で直ぐ仕事内容を覚えるのは、難しい。だから仕事も勉強だと思えばいい。経験が大事だ。と、良く言ってくれた。 食い入る僕に店長さんは、少し引いたけど… 店長 「…じゃあ、ちょっと試しに…。おーい!」 誰かを呼ぶ店長さん。 店長さんの声に個室のドアが開いた。 たくや「…はーい。何スか?」 一人の男性が店長さんと話をしていた。 な、何かカッコいいけど、髪の毛緑色だし、鼻と口にいっぱいピアスしてるし、チャラそうな男の人だなぁ……。 店長 「君、こっちでちょっとやってみて。たくや君、宜しくね。」 と、言われて店長が個室から出て行った。 残された僕。 そして目の前にいるチャラ男くん。 な、何を試すの? な、何をやってみるの? チャラ男くんこと、たくや君は、僕に近付きながら…。 たくや「…とりあえず…起たせて。」 はあぁぁぁぁ!?!?!?!? 椅子から勢い良く立ち上がる僕。 た、試すって…そういう事かい! 空  「い、いや…!あのぉ~…。」 たくや「起たせるぐらい出来んだろ?ヤったことねぇの?フェラチオ。」 あ、あるよ! で、でも、そんな一回しかないよ! だ、だ、大体そういう起たせる前に、起ってました!! 先輩はねぇーー!??? 空  「ほ、ほほほホント…むむむ無理ですぅぅぅ!!」 だって、本当に一回だけだったし…。 ほんの少しの時間だったし……。 そんな苦くて辛くて苦しい記憶を思い出したくないよ……! たくや「良いからヤれよ!てめぇを試しとかねぇと、俺の給料カットされんだよ!」 そ、それ僕に関係ありますか――!?!? たくや君がズボンのチャックを下げて出してきたモノを見た時に………。 勃起すらしていない性器の大きさに、同じ男として敗北を感じた僕。 見た目もチャラ男で下もチャラ男なたくや君……。 女性なら大喜びだろうに。 良いモノ持っててゲイなんて悲しすぎる………。 って…………。 今は、そんな事を考えてる場合じゃない~!!!
/621ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加