舞われ始めた風車の如く

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「ご無事で何よりってな」  半端なく気が強い美少女に魅せられ、同時に一切動じる様子のない彼にまた驚いていると、 「で、その者は何なのだ」  不意に話を振られ今度は飛び上がってしまう。  まずい、まずいやばいどうしよう!見るからにして身分高そう!そんな人に、あの人から、「こいつ、あやかし付きなんすよ、気持ち悪いっしょー」なんて言われたら心が危ない!立場も危ない!旅なんて言ってる場合じゃない!  私は顔も見せないよう、明後日の方向をみて捨て台詞を試みる。 「何者でもありません!失礼します」 「待て待て。誰が行って良いと言った」 「うぐっ」  お気に入りの首巻を引っ張られた私は、間接的に首を絞められ、逃げることを阻止された。  くるっと改めて美少女に向き直る。見かけによらず、大胆かつ強引な性格と見ました。今更な気もするけど。  やっぱり口調や仕草、立ち振る舞いからして身分高そう。ここは従った方がいいのかも。顔を顰めて思案していると、後方から美少女に歩み寄る足音が聞こえた。 「姫、このちびちゃんは」  何か言いかけて、美少女はにっと笑った。 「気に入った」
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