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「ふんっ、偉そうに」
飼い慣らしている、そんな風に見えてしまう私を、桃姫は一切気づいておらず。至極命令として冷静な口調で私に告げる。
「分かった、お前を客人として迎え入れよう。ただし、私の言うことは聞くのだぞ?」
ただ、さっきに比べればいい流れになっている。けど。本当にこれでいいのかと、悩まずにはいられず、
「…んー、」
曖昧な声しか出ない。もちろん、そういう事は根っから毛嫌いしそうな美少女は吠える。
「なんだその締まらない返事は!」
「旅の途中っしょ?悪い話じゃないっすよ」
「んー、」
確かに。これも旅の醍醐味?旅でこういう感じなのかな?きっとそうだ。泊めてもらえる。それに、お偉いさん。情報は多くもっていそうだ。
「よろしくお願いします!」
「うむ。歓迎するぞ、娘」
「よろしくっすねー。とりあえず、あれ撒きますか」
八百比丘尼族は、その特異な体質から人々に恐れられ、常に好奇と邪念の目で見られる。そう、教わった。けれど、この人達は、いとも容易く私を受け入れてくれた。私が八百比丘尼族と知ってか、知らなくてか。どちらにしても、旅路はいい方向に向かっている。檻から出て最初に出会った人がこの人達で良かった。のかな。
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