外の世界の姫

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 前回に開かれた襖から神々しいまでの光が差し込み、私は急いで髪をといたのだった。  どうやら皆三時頃に起床するらしい。私の日常では有り得ない。せいぜいその三時間後に体を起こす。  それに何故か、朝食をとるのは桃姫の自室でだという。お姫様なのにという問題以前に、食堂というものはないのだろうか。今日も疑問と不思議が転がりに転がっている出来事に直面しそう。  そういえば、と桃姫が襖に指をかけたところであたりを見渡す。 「矢丞さんが見当たらないですね」 「ああ。起こしに行くか」  見るからに朝に弱そうな矢丞さんのことだからと、桃姫も今だけは大人ぶった対応をしている。けれどそれも束の間、どこから音もなく降り立ったその姿に私達は肝を冷やした。 「俺ならいますよー。ふぁ…あ、眠。おはよーさん、お嬢さん方」  眠そうではあるけど、くせっ毛をしっかり一つにまとめ、気だるげに欠伸をする矢丞さんは早くから用事を済ませてきたらしい。何故か、菊の花の匂いがする。  桃姫はさも気にした様子はなく、 「うむ」  と一瞥すると自室に入っていった。  どうやら早いところ食事をとりたいよう。そうだ。
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