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「おはようございます。これから桃姫と朝餉をとるところなんです。矢丞さんもどうですか?」
「そうだなー。朝くらいゆっくりしたいし、んじゃ矢丞さんもご一緒させてもらいやすよー」
矢丞さんも誘って、朝餉は三人でとることになった。なったはいいけれど。
「猫、お主もっと食べぬか!朝から飲み明かしおって!」
「俺は大人だからいーの。それに、ちゃんとお仕事はしますからねー」
「だめだ!私の分も食べろ!」
「そんなんじゃいつになってもでかくな…」
「いいから食うのだ!」
さっきからこうした言い合いが続いている。お米に焼き魚、旬の野菜が漬物として出されている中で、黙って味わうことは叶わないのだろうか。
「姫さんが食べないっていうなら…」
「あ!こら!そっちは違うわ!馬鹿め!」
何だろう。確かこういうやり取りは、と私は二人に確認するため思ったことを口に出す。
「仲がいいんですね」
すると血相を変えた桃姫がくわっと私に飛びかかろうとした。一瞬肝を冷やしたけど、すぐ冷静になり、腕組みをして明らかに怒った風にふてぶてしく言い放つ。
「馬鹿馬鹿しい。私はそういうことに興味などない」
「どうせなら漆猫とそーゆー仲になりたいすよねー」
「はぁ!?お前何を言っておる!?出会ってまもない女子だぞ!!」
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