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「なら、ちょっかい出さないでもらえますかねー、うちの嬢ちゃんは見かけによらず獰猛な猫なんだから」
「見かけ通りの間違いでしょ?」
はい!?
聞き捨てならぬ返答に、言い返さずにはいられない。
「こ…この人でなし!もう我慢できない!言わせておけばこの…!」
「ほらほらだめだってー。びっくりして泣いちゃうよー」
「泣かないよ!はぁ…もういいよ。今日のところは目を瞑ってあげる。けど、今度会った時は」
「まだ疑ってるの?」
「どう見ても君は人間じゃないからね」
「っ!」
グサッと鋭利なものが私の胸に確かに刺さった。刺した当の本人は、もう私なんか見ていない。
「内野さん、込み合って申し訳ない。案内してもらえますか」
老人は戸惑いながらも彼を案内することにしたようだ。
残された私は、陰陽師だという七楽飛鷹の背から目が離せなかった。まだ、痛む。
隣に、矢丞さんがいるのに、一人殻に閉じこもろうとした。
「漆猫」
だけど、名を呼ばれて、子どもみたいに心をかき乱された状態で何も考えず嘆く。
「私は、人間だもん。なんで、なんでどこに行っても…」
それ以上言ってしまえば、傷ついた心に変わって目が滲むというのに、やめれそうにない。息が荒くなる、そう思った時だった。
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